ひつまぶし(櫃塗し)は、主に名古屋市近辺で食べられているウナギを用いた郷土料理で、ウナギの蒲焼を細かく刻み、飯に乗せたものを指します。ひつまぶしは、小ぶりなおひつに入ったご飯を混ぜて食べることからこう呼ばれる様になったといわれています。また関西で鰻飯の事を「まむし」という事から「ひつまむし」とも呼ばれていて、名古屋では両方の呼び名が通用するそうです。
ひつまぶしに使う蒲焼きは関西風の作り方で、蒸さずにそのまま焼き上げられます。そのためよく焦げた皮はとても香ばしく、脂ののった身だけがふんわりと柔らかくなるのが特徴です。
ひつまぶしは、明治時代の名古屋市内で始まったとされており、発祥となって店は未だにハッキリせず、熱田区の「あつた蓬莱軒」とも、中区の「いば昇」とも言われています。そのほかにも大阪だとか、三重が発祥という説もあるそうです。
ひつまぶしは当初他の鰻専門店と同じように1人前ずつ瀬戸物の御椀に盛られていたそうです。今のようにおひつに入れるようになった理由として、出前した後のお碗を回収する際に、店の若い衆がよく御椀を割って居た為に、多少乱暴に扱っても割れず、かつ、複数人分をいっぺんに用意できる容器にするためであったとされています。そして、ひつまぶしに入っている鰻が細かく刻まれているのは、取り分ける際に鰻の量が偏らないように均等に分けて盛り付けることが目的であったとも言われます。また、戦後の食糧難の時期に、うなぎの有効活用を図ったためでもあったという説もあるそうです。
ひつまぶしの食べ方は、最初はそのまま茶碗に一杯取り食べます。
二杯目は薬味を乗せて食べます。薬味はわさび、のり、みつば、ねぎ、山葵が基本で、お店によって付けられる薬味が変わってきます。これらの味の変化を楽しみながら食べてみてください。
3杯目は2杯目の様にしたものに、お茶(煎茶)もしくはだし汁をかけ、さっぱりとお茶漬けのように食べます。
最後は1〜3のうち、自分が最も気に入った食べ方で食べるというものです。このお茶漬けは、質の落ちたうなぎでも、おいしく食べられるように考えられたと言われています。
こんなにたくさん何杯もおかわりして、全部の味を楽しめるか不安になりませんか?少食の人にでも、思った以上にサラっとお腹に入っていくので一度体験される事をオススメします。
ひつまぶしは、名古屋の郷土料理でウナギの蒲焼を細かく刻み、飯に乗せた食べ物です。